「第二日本国誕生」じゃない第二郵政省話
小松左京の「第二日本国誕生」が載っている「闇の中の子供」文庫本を取り寄せて読んでみたのですが、どうも覚えてる話と違うような気がします。
筒井康隆か星新一で、第二郵政省な話(実は別に郵政三事業を行う組織があって、そっちのほうがサービスも料金も良い、それが公になるにつれて、本家のほうも競争を仕掛けてくる、みたいな)がありませんでしたか?
小松左京の「第二日本国誕生」が載っている「闇の中の子供」文庫本を取り寄せて読んでみたのですが、どうも覚えてる話と違うような気がします。
筒井康隆か星新一で、第二郵政省な話(実は別に郵政三事業を行う組織があって、そっちのほうがサービスも料金も良い、それが公になるにつれて、本家のほうも競争を仕掛けてくる、みたいな)がありませんでしたか?
郵政民営化法案可決予定記念ということで、小松左京の「第二日本国誕生」が載っている新潮文庫「闇の中の子供」をアマゾン・マーケットプレイスで注文しました。売値一円ってどういうことなんだろ?まぁ、送料340円なんで、てんで罪悪感とか無いんですけども。
リンク: Sakyo Komatsu Database.
ついでにカゴに入ってた「ガイナックス・インタビューズ」とか「ウクレレ・スターウォーズ」とかも注文確定してしまいました。
前は、「今は注文しない」ってステータスが有ったと思ったんだけどな??
(1)三田誠広「僕って何」昭和52年(1978年)←70年安保当時の大学青春小説
(2)田中康夫「なんとなく、クリスタル」昭和55年(1980年)←80年当時のブランド志向大学生小説
(3)DAICON III (1981年)←後にガイナックスとなる人たちによるSF大会とOPアニメ
(4)PC-8801(1981年)←ホビーパソコンの始まり
(5)劇場版 機動戦士ガンダムI~III. (1981年~1982年)←ブームの絶頂はココです
(6)PC-9801(1982年)←ビジネスパソコンの始まり
(7)愛国戦隊大日本(国、戦は旧字) (1982年)←(3)の人たちによる、サヨクおちょくり特撮
(8)超時空要塞マクロス TV放映開始 (1982年)←オタクによるオタクのためのアニメ。主人公がヒロインに、オタク、と呼びかけるのは今見ると苦笑。
(1)と(2)間、わずか三年。 70年代末は「安保は遠くなりにけり」ではあったけれども、彼らの残党はまだまだ三里塚で元気にやっていて、「若者ってのはというか、大学生ってのはサヨクっぽいもんだ」と認知されていたような。
80年代初頭から、「クリスタルな世代」と「オタクな世代」が実は同時に発生した訳ですね。「消費生活者でいいんだっ!」って開き直りは、双方に共通しています。「政治思想からの脱却」「ごく一部の商用クリエイティブと大量の消費者」。
80年に安保闘争は存在しませんでした(自動継続になったから)。
こんなんだったら、東京の大学生でも良かったかもと思っても後の祭りさっ。(実際はまだまだサヨクはいっぱいいたらしいけれども。)
こちらによると、
Die Sprechmaschine, 1962 植田敏郎訳、『マルチンのはつめい』、講談社、1968
だそうです。ディー、スプレッヘマチーネ?ドイツ語風の読み方も怪しくなってきたような。英語では多分、The Speechmachine → しゃべる機械 そのまんまですね。
以前の記事に「おじさん」からコメントをいただきました。感謝。
リンク: さとしすの本八幡な日記: 「マルチンのはつめい」を知っていますか?.
だけどクソ生意気な小学生だった私でもこの本の高いメッセージ性が理解できなかったと記憶しています。今、私はこの本は児童文学としては駄作だったと思っています。
コメントいただけて、とっても嬉しいです。
ただ…、うーむ、正直言って駄作って言われてしまうと返す言葉が出にくいですねぇ。
私も「おじさん」も、大人になるまでこの話を覚えていて、ぐぐってみたりするほどの影響を与えた作品なのに。
「快感を与えるものだけが傑作ではない、不快感でも何でも、大きなインパクトを与えるものが、アートなんだ」と、普通の大学で言うところの教養課程の単位を埋める為に履修した芸術専門学群の講義で聞きました。デュシャンの「泉」とか「のぞき穴」とかね。
回転する虎がバターになる話はむしろ、発売停止騒ぎの後、それ込みで傑作になったように思えます。
現代の「マルチンのはつめい」は、「まんがサイエンス」かなぁ。「IV」はほとんど「HAL」かと思えるほどブラック。「環境問題では最悪でも人類は絶滅しない。ただ文明を継承できないほど減るだけ。それは人類もまた自然の一部だから。」なんて、あやしい環境問題活動家たちの頭から湯気が出そうな事を言ってのけてしまいます。
本作に戻ると、近代文明への警鐘というよりも、コミュニケーション論のほうに主題があるように、私には思えました。作者はヨーロッパ人ですので、「言語が統一されたくらいでは、このコミュニケーション不能状態は無くならない。むしろ、違いを認めて干渉しあわないほうが重要。」との考えのようです。かの地は、地域ごと文化の違いの他に「エマ」に顕著に見られるように階級間の違いも明らかです。
現代に目を移してみると「インターネットが普及した位では、特に何も起きない。人々の意識に革命的な変化が起きるわけではない。国境が無くなるはずもない。人は信じたいものを信じるものだから。」というちょっとした諦観に通じるものがあるような気がします。
ユーザ登録している人であればamazon.co.jpに行くと冒頭に「こんにちは ○○さん。おすすめ商品があります。」と書かれています。
で、「おすすめ商品」のページへ行くと、過去の購入履歴から、「この商品はいかがですか?」と本、ミュージック、ゲームなど各ジャンルごとに大体100アイテムくらいのリストを見せてくれます。
このリストの各項目には4つボタンがあります。「ショッピングカートにいれる」「ウィッシュリストに加える」「持っています」「興味がありません」。「持っています」では、更に5段階で自分にとっての評価を入力します。
これを各項目について選択していくと、アマゾンは自分の好みを知ってくれて、より絞り込んだおすすめができるという仕組みです。
これは、アマゾンと「あんたはこんな本を持ってたり興味があるって事は、これは持ってる?」と蔵書の当てっこをしているという見方もできます。
これが結構当たるので、面白がって延々とやっていたら、最近売っている本、つまり今使っている本棚の本は、ほとんど当てられてしまいました。
わずかな購入情報から芋ヅル式に、繋がっていくのは面白かったですが、より実用的には、自分から興味のある本などをウィッシュリストに放り込んであげれば、それに近いものをどどんとリストしてくれます。
「持っている本」リストも作成され、しかも、マーケットプレイスでの価格も調べてくれますので、「売った金で新しい本を買いなさいな」と、どこまでも親切設計です。 売値が結構高いので、もしかするとブックオフで売るよりも得かもしれません。
新風舎という、「表現する人の出版社」があります。
本を出そう。原稿をお送りください。目的と内容にあった出版プランを提案します。
共同出版という名前の自費出版により、原稿を立派な本の形にして、書店売りしたり、書籍関係の雑誌に広告したりしてくれる所だそうです。
聞くところによると、「著者」の負担額は200万円程度、初刷り500部、一冊の売値2500円程度らしいです。ハードカバーでも、2500円はなかなか強気です。通常の書籍、「なつかしのハワイ旅行」荒又宏が、1480円でした。無名な人の無名な本が2500円。手にとってみて面白ければ、買いますが、一瞬引く値段です。
重要な点は、出版にかかわる経費はすべて著者の負担であり、たとえ一冊も売れなくても新風舎側には損は無いということです。
これを出版社というかどうかは微妙なところです。製本デザインを内蔵した同人誌印刷会社、って考えたほうがしっくりくるのですが、「著者」の方々にそのように思わせないように巧みに誘導している風に見えます。
世の中には、「自分の作品は傑作なのであるから、世に出さえすればヒット間違いなし、500部完売ですぐ増刷さ!」という人が一杯いるらしいのです。(実際に増刷かかるのは、全体の5%ほどらしいです)
200万円で夢を買う、という気軽な気持ちであれば良いのですが、そうでないと悲惨なことになるかもしれません。
13歳のハローワークについて、思うところをまとめてアマゾンのカスタマーレビューに投稿してみました。
Amazon.co.jp:カスタマーレビュー 本:13歳のハローワーク
一人の人間が世の中の職業を網羅"しようとした"本としては大変評価できます。意外な職業を見つけられるのは面白い体験です。ただ、残念ながら限界がある事にも注意しないと危険な本であることも確かです。そこここに著者の偏見が散りばめられています。著者の嫌いな職業は、いわれの無い非難を受けたり紹介さえされなかったりしています。特に理工系関係の職業が薄すぎます。
初っ端から「いい学校を出ていい会社に入れば安心、という時代は終わりました。」というのは、さすが若い頃から作家の人の意見だと思いました。そんな時代、後にも先にもありません。
批判する精神を常に持てる人にこそお勧め。何でも鵜呑みにしてしまう人には毒かもしれません。そういう意味でも、中学生向けのちょうど良いテキストと言えるでしょう。
33人中30人(2004.3.15)の方から、「このレビューが参考になった」と投票していただきました。結構嬉しいかも。
また、本屋に並んでいたのでチェックしたら、巻末付録のほうに押しやられてましたよ、○○関係。ひっでぇなあ。戦争好き以下かい(なんで自衛隊員・沿岸警備隊員・機動隊員を入れないの?)。
うちの子に薦めるときはちゃんと、「一人の作家が職業を網羅しようとしたもので、それはすごいけれども、網羅しきれるものでもなく、偏見も多分に含まれている。それが現実。」とか、注意書き書いておかなくちゃ。 総じて理科系・芸術系の子には例が少なすぎます。ま、そういう分野には不要な本なのかもしれませんけど。
Time's bell (本屋さん日記): 13歳のハローワーク
駅ビルの書店で、「売れてる本」の棚にあったり、なかったりします。入荷してもすぐ売れてしまうみたいです。
「好きなこと」で仕事を選んでみようというコンセプトで、世の中にはこんなにいっぱい仕事があるんだ、と500以上の職種が書いてあるそうです。すごいですね。読み応えがあり、内容も充実しています。
木や草花が好きとか、話すのが好きとか、文章を書くのがすきとか。
「作家」の項は、ちょっと笑ってしまいます。あと、「何にも好きなこと無い子への特別編」も面白いです。「ゲーム」とか「戦争」とか「マンガ」が好きな人向けのアドバイスが、ちゃんと書いてあります。
しかし………、仕方の無いことなんですけど、この本重大な欠陥があるんです、ここを読んでいる人なら、目次を見ただけでわかるのですが。
答えはコメントで。
一人の作家が13歳の子供たちのために世の中の仕事を網羅しようとした本ですが、それは、この人の職業観をさらけ出す事になっていて、そういう風に読むのも、とても面白い本だと思います。 でも2600円は、手を出しにくいなぁ…普及版出ません?
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