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「マルチンのはつめい」を知っていますか?(2)

以前の記事に「おじさん」からコメントをいただきました。感謝。

リンク: さとしすの本八幡な日記: 「マルチンのはつめい」を知っていますか?.

だけどクソ生意気な小学生だった私でもこの本の高いメッセージ性が理解できなかったと記憶しています。今、私はこの本は児童文学としては駄作だったと思っています。

コメントいただけて、とっても嬉しいです。
ただ…、うーむ、正直言って駄作って言われてしまうと返す言葉が出にくいですねぇ。
私も「おじさん」も、大人になるまでこの話を覚えていて、ぐぐってみたりするほどの影響を与えた作品なのに。
「快感を与えるものだけが傑作ではない、不快感でも何でも、大きなインパクトを与えるものが、アートなんだ」と、普通の大学で言うところの教養課程の単位を埋める為に履修した芸術専門学群の講義で聞きました。デュシャンの「泉」とか「のぞき穴」とかね。

 回転する虎がバターになる話はむしろ、発売停止騒ぎの後、それ込みで傑作になったように思えます。

 現代の「マルチンのはつめい」は、「まんがサイエンス」かなぁ。「IV」はほとんど「HAL」かと思えるほどブラック。「環境問題では最悪でも人類は絶滅しない。ただ文明を継承できないほど減るだけ。それは人類もまた自然の一部だから。」なんて、あやしい環境問題活動家たちの頭から湯気が出そうな事を言ってのけてしまいます。

 本作に戻ると、近代文明への警鐘というよりも、コミュニケーション論のほうに主題があるように、私には思えました。作者はヨーロッパ人ですので、「言語が統一されたくらいでは、このコミュニケーション不能状態は無くならない。むしろ、違いを認めて干渉しあわないほうが重要。」との考えのようです。かの地は、地域ごと文化の違いの他に「エマ」に顕著に見られるように階級間の違いも明らかです。
 現代に目を移してみると「インターネットが普及した位では、特に何も起きない。人々の意識に革命的な変化が起きるわけではない。国境が無くなるはずもない。人は信じたいものを信じるものだから。」というちょっとした諦観に通じるものがあるような気がします。

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