日本を標的にしたウイルス

なころぐ: 最近ウィルスが増加した理由

定量的な話だと思いますが、「わかりにくくなった」事によって、加害者意識が減少し、代わって被害者意識が増大してきたのではないか。 それによって、「ヒトの意志による抑制力（モラルの力）」みたいなものが低下し、感染が収束しにくい構造になってきたのではないか。そんな風に考えました。

　うーん、いちいち感染してごめんなさいと恐縮していられないほど単純に被害者が増えたのが原因ではないかと。

　まず、メール送信先を探すのが非常に巧妙になって来ているのが挙げられます。感染したPCのファイルの中を洗いざらい漁ってメールアドレスを探し出すばかりか、見つけたドメインに適当なアドレスをつけて大量に送り、メールゲートウェイ外しの為に接続サーバもmail@（見つけたドメイン名）宛に送り出したりします。当然のようにウイルス対策メーカー等のドメインへは決して送らず、発覚を先延ばしにします。
　ウイルス本体をパスワード付き圧縮ファイルに入れ、受信者に解凍させようとした奴もいます。ウイルスチェック機能付きメールゲートウェイはパスワード付き圧縮ファイルをパスワードクラッキングしてまでチェックを行いません。圧縮ファイル自体を解析してウイルス定義ファイルを作ることになりますが、それは結構時間稼ぎになります（数十時間位）。
　マイクロソフトやトレンドマイクロとかいった会社からのアナウンスを装って添付ファイルを開かせようとする奴もいます。英語だから日本人はあまり引っかからないですが。
　
　Netsky.Qは、最初に標的にされたのが日本のドメインといわれています。それだけで、国内に相当な被害が起きています。もしもウイルスが発送するメールが「jpドメイン宛は日本語で」という機能を身につけ、OSメーカやISPやウイルス対策メーカーからの広報を装ったとしたら？　対岸の火事と笑っていられないほど流行するでしょう。　コードはほんの数十バイト増えるだけでしょう。
　今は、NetskyやBeagleやMydoomを作っている連中に日本語が分かる奴がいないだけです。
　上記の巧妙な手段もここ数ヶ月で実装されたものばかりです。「日本語（もしくはローカライズ）機能」が実装されるのもそう遠いことではないでしょう。